コラム リーダーシップ

本当に主体的で能動的なリーダーは「〇〇〇!」と言える

2023年7月12日に発生した石川県津幡町・かほく市の豪雨災害、心よりお見舞い申し上げます。

2011年の東日本大震災以来、微力ではありますが、ボランティア活動に参加させていただいています。
今日は、そこで学んだことを書いてみます。

(この画像はphotoACからダウンロードしたもので現地で撮影したものではありません)

敗北でも、甘えでもない「〇〇〇!」

私が関わらせていただいているのは女性経営者さんのネットワークで繋がった被災した店舗です。

そこは非常に大きな床面積の店舗でしたが、いち早くたくさんのお仕事仲間の方々(ほぼ女性)がお片づけの作業に入っていました。

そして、急ピッチで荷物が搬出され、泥がかき出され、あとは床板を剥がして、本格的な工事を待つ状態でした。

頭が1つ分も2つ分も抜きん出ていたスピード復旧。

何が命運を分けていたかと言うと、店舗のオーナーさんの人間力、巻き込み力は言うまでもなく、彼女が、瞬発的にあげた「うちも助けて!」と言う声が、来県していた凄腕ボランティア集団を捕まえたことでした。

その様子を、見聞きしていて、こんな時、いち早く従業員やお客様を守るために、経営者はなりふり構わず「助けて!」と言えるのだと思いました。

そして、そこで私が感じたのは、「助けて!」と言う言葉は、自助力が足りず敗北したとか、依存心が強いとか全くそう言うニュアンスは微塵もなくって、

ただただ、スピード感を持って平常に戻って行こうとういう「集中力」でした。

そして、足りないリソース(資源)を、自分から積極的に活用し、前へ前への進んでいこうと言う覚悟の現れ、宣言みたいなものだなと思ったのです。

「そうやって、一歩一歩進んでいくしかないんだから」

復旧への推進力の強さは抜きん出ていました。

非常時のリーダーシップ

リーダーシップにはいろんなスタイルがありますが、非常時に発揮されるべきは「指示命令型のリーダーシップ」が中心となります。

災害時には「うちより大変なところがあるから」「うちはまだマシな方だから」と言うそんな言葉も聞かれますが、

地域で欠かすことができない雇用と社会のインフラを担っている企業が、いち早く復旧して行くことに遠慮はいらないと私は思います。

災害からの立ち直りにおいては、放置しても事態は劇的に改善しません。

一歩、踏み出し、支援をつかみとり、再び日常業務を取り戻すまで、経営者は判断の連続です。どれだけお疲れになることでしょう。

そして、それでも休みをうまくとりながら、逆境に負けずにしなやかに立ち直る力(レジリエンス)を発揮されていくのです。

ボランティアは学ばせていただく場

ボランティアというのは、単に労働力や物資を提供するということではなく、ボランティアを通して、新しい情報を知り、取捨選択し、行動し、他者から学び、自分の行動を振り返り、学びの連続です。

今回は、東日本大震災での経験があって、落ち着いて行動できているなと思います。

前回との大きな違いは、自分は心理職であるという明確な自覚です。

災害からの復旧にあたり、とりわけ経営者の方々の苦悩・葛藤を聞かせていただくことも、産業領域で心理職として仕事をしている自分にとって貢献になればと思っています。

またそこから学ばせていただき、お役に立ち、という循環ができれば幸いです。

そのような体験を自分自身が大事にし続けたいと思っています。

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